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LME(LME METAL EXCHANGE)//03

 

バックワーデーションとは期近の価格が期先の価格よりも高い場合をいいます。期近もしくは現物価格で買いたい人が多ければ多いほど期近の価格は上昇し、コンタンゴが収縮します。それでもまだ買い意欲が旺盛であれば、コンタンゴは消滅しバックワーデーションになります。バックワーデーションには理論的限界がありません。需給関係以外の人為的規制が取引所に対して加えられない限り、いくらでも無制限に拡大する可能性があります。

 

繰り返しになりますがヘッジ取引においてはスプレッドが原点で、スプレッドには現物と先物の価格差や商品間の価格差、市場間の単一商品の価格差も含まれています。このスプレッドはヘッジ取引において非常に重要です。ヘッジ取引には価格の絶対値は関係なく、あくまでも現物価格とヘッジを行なった先物ポジションの価格差が問題となるからです。このスプレッドを軽視した価格形成を行なっている市場はヘッジを行なう場として適切でないともいえます。先に述べましたLMEのリング取引において各商品は5分間のリング・セッションを行ないますが、その5分間のうちの3分から4分はスプレッドの取引に費やされます。期近対期近のスプレッドから、期近から1年先、さらには5年から10年先のファー・フォワードのスプレッドまでが取引されます。このスプレッドの取引によって適切な価格形成がなされているといえます。この見地から、価格の絶対値ではなく、フォワード・カーブを重視している市場参加者の存在がマーケットの流動性をより高める結果となっています。さらに同一商品を上場しているコメックスや上海期貨交易所の価格形成にも大きな影響を与えると共に、アービトラージの取引機会を提供しているともいえます。

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